湘南ベルマーレはホームで迎えたアビスパ福岡戦を0-3で落とし、首位から陥落。
まずはハイライト。
昇格を争うライバルに大敗、結果を見れば非常にショッキングな敗戦、
かと思いきや、意外にもチョウキジェ監督の試合後のコメントは雄弁でした。
–前半の攻勢は4バックにしたことが関係しているか?
シーズン途中なのであまり詳しくここで話せませんが、ギリギリで答えるとしたら、今の記者の皆さんの質問自体が我々を苦しめているところがあるかもしれません。というのは、ドルトムントも3バックと4バックを併用しているし、今の世の中3バックだろうが4バックだろうが2バックだろうが5バックだろうが、今いる選手の最大値を出すためにシステムというのはあるものだからです。僕は今日は2バックだったと言えるかもしれませんし、4バックだったかもしれないし、前線は5人だったかもしれないし、6人だったかもしれないし7人だったかもしれないし。そう考えると相手は非常に守りづらかったんじゃないかなと、特に前半に関しては。それは特にシステムが変わったからそうなったというよりも、我々の選手たちの良さが活きたからそう見えた。その意味では、システムを変えたから良くなった、という時代はもうとっくに終わっていると思います。だから選手の特徴とか相手との噛み合わせで形というのは変わっていかないといけなくて、我々としてはあれがベストな戦い方だと思ってやりました。ただ最後のクロスの失点みたいに、当然真ん中を薄くすればああいうボールを簡単に上げられてしまうと失点するリスクはある。結果として悪い方に出ましたけど、我々の成長段階ではひとつ新しい自分たちが見つけられたということで言えば非常にポジティブかなと思います。
2バック?
実際、前半の見た目のフォーメーションはこんな感じ。
間違いなく、この試合の前半の試合内容は少なくとも今シーズンでのベストの内容です。
得点できなかったことと失点したことだけを除けば。
無失点で連勝していたこれまでの試合では見られなかった流れるような連動や高い位置から奪いきるプレッシング、
ダイナミズムにあふれたサッカーで福岡は完全にパンチドランカー状態でした。
この試合は秋野がアンカーに入り、両ワイドは最初っから高い位置をキープ。
秋野が繰り出す縦パスに呼応し次々と選手がボールに絡む。
さらには2バックのひとり山根も大胆にボールを運び仕掛ける。
自信と勇気に満ち溢れたサッカーはまさに湘南スタイル。
なんだ・・・やればできるんじゃん。
完璧すぎたこの試合の前半を見ていて、
ただ、ひとつだけ気がかりだったのは審判の笛がやたら軽かったこと。
案の定、接触プレーで得たFKでトリックから失点。
焦ることもないし、自信を失うこともなかった。
バイアが接触プレーによる出血以降まったく精彩を欠いたことや、
システムを変えたことも影響したのでしょうが、
まったくボールをつなげなくなり、後半はそれはひどい内容でした。
それでも、少なくとも前半45分間の内容は確かな手ごたえを残したといえます。
これまで連勝していてもどうして勝てたのかわからないような内容の試合が続いており、
シーズンの中で、こういった結果よりもチームとしてのベースアップにこだわる試合も必要だとは思っていました。
でも、連戦中のホームゲームでやっちゃダメだろ、と内心思ってしまう自分はまだまだ未熟なのかもしれない。