FIFAワールドカップ日本対セネガル反省会、川島のミスから何を学ぶべきか

FIFAワールドカップ2018日本対セネガル反省会

川島、痛恨のミスからの失点・・・

世間的にかなり話題になっているこのシーン。
そう、川島のパンチングがセネガルのマネに当たってゴールした場面です。

海外メディアも酷評、とか
東口や中村と変えるべきだ、とか
このプレーに関してはかなり批判を受けているようですね。

もちろんミスですけれど、
じゃあ東口や中村にしたところで、ミスは起こりえるし、
国際試合のキャップ数も少ないこの二人のどちらかを出すということは難しい。
西川を選ばなかった以上は怪我や退場などのアクシデントがない限りは川島で行くでしょうし、
東口や中村が現時点で川島より上という確証もないし、
二人とも怪我明けでコンディション的にいいとも思えない。

まぁこの3人をキーパーとして選んだ時点で、こうなることが起きてもあきらめるつもりだったんではないでしょうか。
西川が好きというわけではないし、むしろ個人的には嫌いですが、
この3人というメンバー選出が正しかったかどうかは議論の余地があると思っています。

で、川島のミスについてですが、
最早かなり個人攻撃の様相が強くなっていて、

長谷部を外すという記事なのに、なぜか川島残しを強調する日刊スポーツ。

では、川島のミスを具体的に分析しているかというとそうではなさそうなので、一回紐解いてみる。

1.コーチングのミス?

確かにファークロスが上げられ、川島は落下点に走り込む原口にぺナの外にクリアするように指をさして指示を出しているように見えます。
セネガルの選手は詰めているようでストップし、そのボールをまんまと拾ってそのままシュートに持ち込んだわけですが、
原口は後ろが見えていないわけで、セネガルの選手がボールにアタックしていないことは見えていなかった。
川島のコーチングとしては、来ていないことを原口に伝え、そのままボールを見過ごすことや、
場合によってはコーナーに逃げることを指示するべきだったのかもしれません。
できるだけコーナーを与えないように指示があった可能性もあり、
かなり嫌な位置に相手選手もいたので判断は難しかった。
失点に直接つながるほど大きなミスとは言えないかと思いますが、もっとベターな判断があったとは思います。

2.ポジショニング

ポジショニングはどうでしょう。
逆サイドからスムーズに移動し、ちゃんとニア寄りに構えています。
ポジショニングは問題なさそうです。
シュートの予測もできて小さなプレジャンプをし、シュートに備えてますね。

3.パンチングするという判断

キャッチすべきだった、という批判がかなり大きいようですが、
果たしてどうでしょう。
川島のコメントからしてもセネガルのマネがすぐ目の前にいるのは川島にも見えていたようです。

 1失点目を振り返り、川島永嗣は「完全に自分のミスです。目の前が気になりすぎてしまった」と語った。前半、川島はシュートをパンチングすると、ゴール前に詰めていたサディオ・マネに当たり、ボールはゴールへと吸い込まれてしまった。

マネが詰めている

長い脚で先にさわられるかもしれない
キャッチングで一瞬こぼした瞬間に詰められる

パンチング

少しでも先に触ろうという判断でパンチングにいったと。
ギャンブルする必要がある時間帯ではないし、
この判断自体はきっと問題ないように思います。

それは東口もこのようにコメントしています。

目の前の選手が足を出してきて触るかもしれないということを想定したら、キャッチよりパンチングというのはGK目線としてはあり得る。結果としてはキャッチしたら良かったとなるけど、実際にやっていたらあれ(マネの存在)は目に入ってくる。ああいうところで足が伸びてくる可能性があるのがアフリカ人だし、難しい判断だと思う」

 試合後、川島と直接話したときには「(川島)永嗣さん自身、『安全に行き過ぎた』と言っていた」という。原口のクリアが中途半端だったことに関しても簡単にCKに逃げるべきだったとの意見もあるが、「相手も高いし、簡単にセットプレー、CKにしたくない心理もある」と指摘。「それも結果論で『簡単に切っておけば』と言われる」と、2人を擁護した。

動画見てもシュートを打たれたあと早い段階でグーになってパンチングの準備していますね。

4.パンチングの技術

パンチングに行くこと自体は問題ないけれど、弾いた場所がよくなかった。
低いボールだし、近い距離からのシュートだし、カーブしてきているし、
正面だから簡単だろうというわけでもなかった。

弾く場所など、技術的な問題があったと。帰結するところはその部分になるかなと思います。

日本のゴールキーパーの技術は低い。

東口や中村だったら絶対あんなミスはしない、とは思わない。
Jリーグの正GKの座は次々と韓国人GKに奪われ、川島以降海外でプレーするGKも生まれない。
ゴールキーパーが成長するための土壌がそもそもできていないのが現実です。

あそこでフリーで撃たせちゃった時点でそもそもいかんわけで、それをGKの責任として個人攻撃だけにしていたら
日本のサッカーには何も残らない。

キャプテン翼でも森崎君がキャッチミスするたびに批判をされるけれど、
シュートをフリーで打たせておいてそれはない。

4年後に、未来に、何を残すのか。
順位や勝ち負けだけでなく、
意味のあるものにしていかなければいけない。

ということで結論としては、
コーチングの判断やパンチングの技術的なミスはあった、というまとめにしておきたいかなと思います。
でも個人攻撃されるほどひどいものかというと、
それほどひどかったわけでもないと思うのが個人的な印象です。

チャンピオンズリーグやこのワールドカップでも世界的なGKが次々とんでもないミスをしているわけですから、
それを見ていたらまだ十分許容範囲じゃないかと。

んじゃ、対戦相手のGKはどうなのか

でも、試合観ていると、セネガルのGKもかなりひどい。

出たら触らなきゃいけないし、出ないならゴールラインまで下がって備えるべきで、このミスはかなり致命的なミスです。

コロンビア戦もこんなGKのミスがありました。

コロンビアのGKオスピナは前に出ようとして、そこで届かないと気が付いたわけです。
出れないのならばゴールラインまで引いて止まり、シュートに備えなければいけないのに、
体は流れたままシュートを見送るのみでした。
こちらもかなり痛いミスです。

サッカーはミスをするスポーツ。
フィールドプレーヤーがするミスはチャレンジした結果だとかいうけれど、
ゴールキーパーのミスは許されない
不公平感ありありで、
そりゃ子供たちだってゴールキーパーなんてやりたがらないわけですよ。

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