訪問介護事業所のホームページ作成について
訪問介護事業所は以前は介護保険制度下で最も事業所数の多いサービスでした(現在は通所介護)。
地域で競合相手も多いサービスでもあります。
ここ数年、訪問介護事業所の閉鎖が非常に増えています。
常勤換算2.5人で開設でき、ハード面の設備に必要なハードルも低いため、参入しやすいという反面、
新規利用者が増えない、ヘルパーを確保できないという状況から
事業所閉鎖という選択を取るケースも増えています。
訪問介護事業所にとっては、生き残りをかけたサバイバル時代です。
差別化の難しさ
そして、訪問介護事業所の多くが頭を悩ませているのが差別化の難しさです。
例えば、デイサービスでは機能訓練特化型、認知症対応型、時間延長対応のレスパイトなど、
ハードであったり職員体制によって様々な差別化戦略を立てることができます。
訪問介護事業所にとっては、それが難しいということが一つにはあります。
例えば、
・障害福祉サービスへの対応、
・たん吸引などの医療ケアの研修修了者の有無
・夜間等の対応
・通院時等乗降介助
・特定事業所加算による24時間連絡体制
など、差別化を行うことはできると思いますが、
それだけを売りにしても、地域のケアマネの信頼を勝ち得ることはなかなか難しいでしょう。
訪問介護事業所が生き残っていくために、どのような戦略を立て、そしてウェブサイトを活用していくべきか。
顔が見える事業所に
やはり、訪問介護事業所の特徴ってサービス提供責任者によって変わってくるのだろうと考えます。
ケアマネが訪問介護のサービスを依頼するにも、
この人になら任せられる、と思わせられるサービス提供責任者であることが重要になります。
サービス提供責任者の顔が見えること、これが重要です。
なので、きっと訪問介護のサービス提供責任者は実績や報告書をもって毎月ケアマネさんの事業所を訪問しているのだと思います。
ウェブサイトもその活用方法の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
ツイッターなどのSNSを活用して、サービス提供責任者のキャラクターが見えるなんてことも大事です。
顔を出すのはちょっと・・・と思う方も多いかと思いますが、
顔を出さなくてもきっとキャラクターや人となりなどは伝えることができるのではないでしょうか。
研修内容など
普段の訪問以外に、どんな取り組みをしているのか、どんな研修を行っているのか、
そんなことが見えると、より信頼感を与えることができるのではないでしょうか。
研修についてはきっと多くの事業所が行っているかと思います。
個人名などを隠すなどの加工は必要かと思いますが、写真と一緒に研修報告書を載せるのであれば、
それほど大きな手間にはならずにできることだと思います。
ケアマネだけでなく、利用者側が見ても安心できる材料を与えることができます。
コンプライアンスが重要な訪問介護サービス。
訪問介護事業所に関しては、近年、コンプライアンス(法令順守等)の問題がかなりクローズアップされています。
たとえば、平成30年4月の介護保険法改正の際、訪問介護のうち家事援助の利用回数が一定基準を超える場合はケアプランの提出が求められるようになるなど、
提供しているサービスの必要な根拠であったり、利用者の自立支援に結び付いているかという観点で見ていくことが
これまで以上に求められるようになっていると感じます。
非常勤の職員も多く、ヘルパー全体に周知することも難しいとは思われますが、
ホームヘルパーに求められている役割も大きく変わりつつあるように感じます。
そんな訪問介護の最新情報については、弊社の運営サイト「ホームヘルパー井戸端会議」でも提供していますので、
情報を活用していただければ幸いです。
あったらいいな、こんな訪問介護事業所のホームページ
ウェルコネクトでは、訪問介護事業所に向けて、こんなコンテンツを提案しています。
・ヘルパーの空き状況のお知らせ
曜日や時間帯ごとにヘルパーの空き状況を表にして掲載します。
訪問介護事業所を探しているケアマネジャーがホームページを見て、利用者が希望する時間帯とマッチしていたら依頼が来る可能性も高まります。
紙面で毎月ケアマネジャー宛にお知らせしている事業所も多いと思いますが、よりリアルタイムな情報を伝えることができることもメリットです。
※ちなみに、紙で渡す空き状況ですが、多くの居宅介護支援事業所では書類の山に埋もれてしまうという傾向が高く、必要な時に見れるウェブ上の情報の方がコストもかからず、依頼に繋がりやすいというメリットもあります。
・研修の様子紹介
特定事業所だけでなく、定期的に研修を行っている事業所が多いと思います。
どんな研修を行ったかを掲載すると、利用者やケアマネなどの信頼感が高まります。
感染予防の研修、個人情報保護の研修、介護技術の研修、紙おむつについての研修、記録についての研修など、実施した研修の内容などを掲載することで、サービスの質の向上に努めている姿勢が伝わると思います。
ちゃんとヘルパーを教育しているのか、なんて利用者の苦情を受けることもあるかと思いますが、このようにホームページ上で情報提供をしておくというのも重要です。
写真は撮られたくないという方も多いと思いますが、後ろ姿だけでも、ホワイトボードに板書したものだけでも、研修の資料の一部だけでも構わないので、写真を掲載しておくとリアリティのあるものに感じられると思います。
ヘルパーさんの研修だと、調理の研修をすることもあると思いますので、そんな写真があると、サービスを利用する側もイメージしやすくていいのではないでしょうか。
・ヘルパーさん紹介
もちろん、ヘルパーやサービス提供責任者の写真などで自己紹介をするページがあると最高ですね。
なかなか利用者さんやケアマネさんは普段のヘルパーさんの姿をイメージしにくいので、そんな情報があったりすると会話のきっかけにもなったり、親近感を感じることにもつながります。
介護保険サービスの中で初めて利用するのが訪問介護のサービスという場合が多く、初めてサービスを利用するという利用者側から見たら、どんな人が来るのか、不安な思いも強いと思います。そんな不安を軽減することができるという意味でも、ヘルパーさんの情報が掲載されていると安心感を与える材料の一つとなります。
私のプライベートなことや情報なんて必要としている人いないでしょ?と言うヘルパーさんもいるかと思いますが、利用者にとって事業所の顔になるのはやっぱりヘルパーさんたちなので、ヘルパーさんたちに親近感を持ってもらうためにはとても有効なコンテンツです。
一人ずつの写真が抵抗あれば、全体写真をちょっと気持ち引き目で撮影してみてもいいと思います(明るさなどの画像加工希望あれば行います)。