介護現場でのテクノロジー活用が求められています。
AI,DX,ICT・・・厚労省や財務省からはいろいろ言葉が上がります。
もちろん、業務の効率化はできると思うのですが、現場はわかっているんです。
言うても、あなたたちが言うほどそこまで業務効率化のインパクトはないよ。
ケアプランデータ連携システムだってそう。月6.8万円削減できるよ、って言われても、いやいや。人件費こんなかかってるわけないだろっていう時点で、もうすでに胡散臭い。
WAMNETで公開しているケアプランデータ連携システム利用状況を見ても、全然増えていません。富山県27事業所。県で27事業所です。連携なんてあったもんじゃない。連携できなければただただ月額使用料を支払うだけでただただコスト増しか残らない。
せめて各サービス種別ごとのリーディングカンパニーは事業所登録するくらいの口裏合わせはしておけよとかおもちゃうんですけれど。厚生労働省、お粗末すぎますね。
厚生労働省や財務省、経済産業省が考えている効率化と現場との温度差はリアルに大きい、とひしひし感じます。
明日、来月、1年後、事業所が存続できるかの保証もない中で追加で何か成功事例もない新しいことにチャレンジができるかって、それは難しいですよ。
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介護テクノロジー利用重点分野
先日、「ロボット技術の介護利用における重点分野」が経済産業省と厚生労働省から発表されました。
今回から3分野が追加されています。
- 機能訓練支援
- 食事・栄養管理支援
- 認知症生活支援・認知症ケア支援
要は、テクノロジーの普及、進んでないから頑張れよ。みたいな話なんですけど。
でも、多くの介護現場が苦しんでいるのは、そこじゃないんように思います。
介護職員が続けられない、将来設計を描けるような十分な待遇を得られていない、仕事にやりがいを持てない。つまりは、介護事業のベースは人なんです。
介護事業の収入の7割(事業種別によってはもっとですが)は人件費に費やされます。やっぱり大事なのは人なんです。人の確保ができなければ、事業の基盤は安定せず、新しい投資や業務改善の話をする余裕も生まれません。
なので、現場が求めているのは、人を採用する・人を教育する・人が自己実現できる。もし、テクノロジーでそれを補完できるのであれば、そこに国は力を入れてほしいなと思うんですよね。
介護の仕事をしたいなと考えている人が介護の仕事に足を一歩踏み入れるためのAIマッチングサービスであったり、介護の標準的なマニュアルや教育研修ツールであったり、そういったものは十分テック領域で可能なんじゃないかなと思うんです。
ケアマネ研修なんて事例検討やりたい人がいればAIで事例検討シミュレーションツール作ればあんな高い費用かけて更新研修でやる必要もないんです。いや、そもそも事例検討やる必要があるかという議論を先にしたいけど。
介護職は国の宝
相変わらずとりとめもない話なんですけれど、やっぱり大事なのは人。デジタル化やテクノロジーがどんなに進んでもやはり介護は人がするものであるという前提を崩すことはできない。
だから、下手な幻想はやめて、国はまずは人を大事にしてほしい。介護の仕事をする人を大事にしてほしい。もちろんケアマネも大事にしてほしい。
健康被害のリスクがあっても、認知症の利用者に怒鳴り散らされても、安い給料でも、それでも介護に使命感を持って質の高い介護を提供し続ける。介護職は国の宝ですよ。
介護職の皆さんが、自分の仕事に誇りを持てる社会であってほしい。そのための待遇・キャリアプラン・社会的評価のある仕事にしてほしいと、心から思います。
また余計なデジタル化がまたひとつ
余計なデジタル化として、経営状況の公開が義務付けられました。その報告のために、介護サービス事業者はGビズIDに登録しなければいけなくなりました。詳しくはこちらの記事に。