患者誤認させるビフォーアフター写真は広告禁止 厚労省、医療法施行規則改正で省令案(CBNews)
厚生労働省は、医療法施行規則を改正する省令案をまとめた。治療の内容と効果について、患者を誤認させる恐れがある治療の術前術後(ビフォーアフター)の写真などの広告を禁止する。
ビフォーアフターの写真を含めた医療広告をめぐっては、特に美容医療サービスに関する消費者トラブルが相次いでいる。こうした状況を改善しようと、6月に改正医療法が公布され、医療機関のウェブサイトを他の広告媒体と同じように規制し、虚偽・誇大表示を禁止することとなった。
2018年6月の改正法の施行前に、具体的な規制内容を決める必要があったため、「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で議論を重ね、患者を誤認させる恐れがある場合は、広告を禁止することを省令で規定する案を取りまとめた。
省令案では、ビフォーアフターの写真に関する事項に加え、患者の主観や伝聞に基づく体験談についても「広告をしてはならない」とした。厚労省は18年1月11日まで、この案のパブリックコメントを募集している。
医療機関によるウェブサイトなども含む公告については
フォトショップなどで画像修正をしたものはもちろん、
そうでないものまでビフォーアフター画像については原則禁止となりました。
また、利用者の声などはウェブサイト上に掲載している場合が多いと思いますが、
これも患者の主観として広告規制がかかり、掲載できなくなります。
確かに美容医療等で説明不十分な施術による消費者トラブルというのは深刻な問題です。
効果の不確実な療法を高額で行っているクリニック等もあり、
医療の広告というのは非常にデリケートな問題です。
かといって、ビフォーアフターを原則禁止にすることは
さらに誤解と混乱を招く原因ともなりかねません。
高須クリニックの高須院長はツイッターでこのように反論しています。
全ての治療結果が明るみにでて誰が上手かわかってしまったら、下手な医者や新人は患者が来なくなる。
医者が広告に厳しいのは、パワフルな医師が市場を独占するのを防ぎ、年取りや未熟者の医師を救済する目的もあるんだ。
日本美容外科医師会は医師の相互扶助も行っている。組合みたいなものだ。 https://t.co/Ylai9RX1v2— 高須克弥 (@katsuyatakasu) 2017年10月26日
介護業界のウェブサイトへの影響は?
医療じゃなければいいのか、といっても医療と密接に関連している介護業界。
例えば、リハビリの成果として歩いている姿の比較や、姿勢の改善がみられた場合に写真や動画などで紹介することや、
訪問看護が褥瘡の治療を行った前後の写真などもNGになってしまうのか。
これを誇大広告とされてしまうのであれば、
対象者はサービスを選択せずに廃用に向かっていくしかないでしょう。
介護事業所等ではウェブサイトでのビフォーアフター写真掲載などは禁じられていません。
ただ、しっかりと説明は必要です。
例えば、褥瘡の治療のビフォーアフターを紹介するのであれば、
褥瘡発生後からどのような対応をとったのか、
どのくらいの日数で治癒していったのか、
栄養や除圧などをどうしていったか、
どれだけの人が関わったのか。
こういった情報もきちんと伝えることで、単純な誤解がなくなるかと思います。
誤解を招く内容がないか、ウェブサイトの見直しに努めましょう。
“医療機関のウェブサイト、ビフォーアフター写真の掲載原則禁止へ!介護事業者のウェブサイトが注意するべきポイントは?” への1件のフィードバック