視覚障害を持った人がウェブを診断。ウェブ診断士って何?

視覚障害者がHP診断 名古屋で「資格者」養成

 視覚障害者が利用しやすいホームページかどうかを当事者が診断します――。情報のバリアフリーを目指し、名古屋盲人情報文化センター(名古屋市港区)が、視覚障害者の養成を始めた。名付けて「ウェブ診断士」。総務省HPの当事者診断を行うなど実績もあげており、同センターは「視覚障害者の新たな仕事として、雇用促進につなげたい」と認定制度づくりを進めている。
 視覚障害者は、画面の文字を音声で読み上げるソフトを使ってHPを読むことができる。点字翻訳や録音図書と違い、ほかの人の力を借りず、知りたい情報を直接入手できる重要な情報源だ。ただ、画像はその説明を書き込んだ代替テキストがついていないと内容がわからないなど、利用しにくいHPも多いという。
 障害者や高齢者を含むだれもがウェブを利用しやすいよう、日本工業規格(JIS)は04年6月にウェブ提供者らが配慮すべき規格を定めた。総務省も05年12月に自治体HPの運用モデルを示し、当事者による評価が重要としている。
 視覚障害者の利用しやすさを診断するソフトも開発されてはいるが、当事者でないと点検できない問題も多いことから、同センターは昨年4月から、自らも全盲で同センターの技術支援をしているシステム開発会社「富士通中部システムズ」の星野史充さん(42)を講師に、画面読み上げソフトを使う当事者が診断する「ウェブ診断士」の養成を始めた。これまでに5人が履修している。
 星野さんは「ウェブ上の障害が除かれ、視覚障害者が電子申請や買い物を無理なくできるようになれば、生活の質向上につながる」と期待する。
 今年3月には、総務省が開設している「一般戦災ホームページ」の診断を星野さんら視覚障害者3人が3週間かけて実施。複数のページが同じタイトルでどのページを開いているかわからない、サンプル画像に文字情報がついていないなどの改善点が見つかった。
 「健常者や診断ソフトでは気づかなかった点で、改善を図りたい」と同省大臣官房管理室。
 同センターは今後、視覚障害者団体や職能開発団体などに呼びかけ、ウェブ診断士の養成カリキュラムや認定制度を検討していく計画だ。
 武居俊之所長代行は「生活インフラにかかわる自治体や企業は、当事者によるウェブ診断をぜひ導入してほしい。視覚障害者が在宅でできる新たな仕事として育てていきたい」と話している。

ウェブアクセシビリティは、ウェブにおいて圧倒的に正義であってほしいと願う者としては、
この取り組みを応援したいです。
ただ。
実際に視覚障害の人がその視点で診断することが、
機械的にHTMLのチェックや色相のチェックをすることよりも優位な点や、
実際に音声ブラウザなどを扱う人でしかわからない部分など、
知識として習得できる技術以上の配慮としての診断が行われてこそ、この資格に意義があるのだろうと感じます。
NPO法人ハーモニーアイで、今月、ユーザー目線のウェブサイト構築法についてのセミナーがあるので、
行けるなら行ってみたいと思います。
それこそ、体がふたつあればいいのですが・・・。

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