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パワハラ騒動、湘南ベルマーレの混迷は続く。
湘南ベルマーレが揺れています。
残留の可能性が色濃く見え始めた8月12日、発端はスポーツ紙による報道。湘南ベルマーレの曺監督によるパワハラ疑惑というショッキングな内容でした。
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そこからおよそ50日間。
指揮官は自粛という形をとり、チームから姿を消しました。
選手は混乱の中、高橋健二コーチの下、必死にプレーを続けていました。ただ、その間、チームはただひとつの勝利をも手にすることができませんでした。
清水エスパルス戦には0-6で大敗。
その後、Jリーグからついにパワハラの調査報告書がまとめられ、クラブと監督への処分が発表されました。
そして、その2日後。チームは川崎戦を迎えます。
0-5と大敗。2試合で11失点。
勝ち点でJ2J1入れ替え戦圏内のサガン鳥栖と並ばれることになりました。
ファイティングポーズをとり続けるために
クラブが監督に対してどのような処分をするのか。
解任するのは簡単ですが、きっとそうしないであろうことはみんな知っています。
過ちを犯した人を見捨てるクラブじゃない。これは現社長の水谷さんが言ってきたことで、フットサルの内村俊太のときも、クラブは彼の社会復帰のため、リスクマネジメント委員会を通して保護指導し、下部組織でのプレーを経て、チームへの復帰を迎えました。
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今回、曺監督が監督の座を離れるとしても、きっとベルマーレからは離れない、というか、会長の真壁さんは離さないでしょう。そういうクラブです。暴行やパワハラを容認したと非難する人も多いと思いますが、切り離してそれでおしまいというやり方はしないし、それをやっていったらこのクラブに人は集まらないということも十分わかっているのでしょう。
クラブと曺さんの問題ですが、監督復帰を早々にすることは曺さんも快くは受け入れないでしょう。
となると、高橋健二監督代行としてやっていくのか、別の監督を探すのか。
前者に関してはこの数試合でその問題点も浮き彫りになっています。
バイタルスカスカ問題
ボランチ齋藤未月が不在だったことも影響しているかもしれませんが、清水戦も川崎戦も問題は同じ。自陣ペナルティエリアの前、バイタルエリアというゾーンを空っぽにし、相手に簡単に前を向かれてしまっているというシーンが目立ちました。そこからドリブルもシュートもスルーパス、まさに相手の思う壺。これは喉元にナイフを突きつけられているのも同じです。
基本的には湘南ベルマーレのシステムは3-4-3ですが、守備時には両ワイドのウイングバック(サイドハーフ)が引いて守備ラインに入るので守備のときは5-4-1になっています。
で、ボランチ二枚を昨日は金子大毅と鈴木冬一が務め、途中から鈴木冬一が左サイドに回って松田天馬がボランチを務めたのですが、ボランチが本職でない高卒ルーキーの鈴木冬一、動きすぎる松田、宇宙人金子でボランチが機能していたかというと、深刻なバイタルスカスカ問題が発生。狡猾な川崎に付け入るスキを与えまくっていました。
欠けているのは、信頼関係なんじゃないか?
ボランチだけの問題ではありません。前からのプレスも機能不全でした。前からの積極的なプレスは湘南の生命線ですが、プレスの連動が遅れ、はがされるシーンが続きました。さらにサイドで2対1の状況に追い込んでも、守備の役割分担すら不十分で二人ともぶっこ抜かれるというようなシーンも。
スタイルとか、チャレンジとか、それよりもっと根本的に助け合うとか、サポートしあうとか、もっと言うと仲間を信じるとか、ひょっとしたらそういう部分ですでに足りていないんじゃないかと。
チームが一枚岩になるのは難しい状況なのかもしれません。でも、曺監督が言っていたのは、湘南スタイルっていうのはハイプレスとか縦に早いとかいう以前に、助け合え、ボール取られて仲間に「オイ!」っていう前に走ってやれと、そういうところなんじゃないかと。
そこの根本に立ち返っているのかと。
チームのアイデンティティを取り戻すため、残りの6試合をどう戦うか。
悪循環を脱ぎ捨てろ!RIZAP様がついている(広告)
この悪循環を脱却して、ベルマーレが日本のトップリーグに立っていることの価値を示してほしい。
アンカーを置く
ひとつのアイデアとしてはアンカーを置くという方法です。
バイタルに穴をあけないために、DFラインとボランチの間、真ん中にアンカーというポジションを置きます。
システムを4-3-3にします。
攻撃時にはアンカーがDFラインに降りて3枚でビルドアップをし、両サイドバックが高い位置に上がるので攻撃時には今までと同じ3-4-3。
曺監督のときにも試合の流れでこのやり方をすることもありました。DFラインいじらずにアンカーを置いて2トップにすることもありましたが。
問題はアンカーをできる人材がいないということですね。
秋野や石川がいなくなったのが本当につらい。もし二人が今回パワハラとみなされた指導に傷を受けてチームを離れたのだとしたら・・・想像するだけで余計につらい。あの二人だから余計につらい。
DFラインが薄くなる分、やはり前からのプレスに重心を置かなければいけない。後ろ5枚でどうしても後ろが重たくなっていた印象もありました。その割に両ウイングバックと両センターバックの間のスペースが空きすぎているので、そこから崩されることが多かったですけど。
監督をやってほしい人
ここからは、監督人事について。僕は監督としての能力なんかは知りません。でも、クラブを救いたいと思ってこんなクラブに来てくれる人が、チームのOBだったりするとうれしい。
S級ライセンスを持っている人で、チームのOB。その中で来てほしい人は・・・。
名塚善寛
ベルマーレ平塚初代キャプテン(当時22歳)。ベルマーレを応援し始めた時に一番大好きだった選手。
湘南の暴れん坊と称されるアグレッシブなサッカー、名良橋・岩本・渡辺卓という奔放で血気盛んなDFメンバーをフォローしながらチームを後方から支える、というキャラを演じつつも隙あれば攻撃参加に行きたくってしょうがないメンタルの持ち主。
ステージ優勝を逃したアウェー鹿島戦の名塚はすごかった。3点ビハインドを負って、攻撃のリミッター外したような鬼気迫るプレー。
フジタ撤退とともに、選手を代表してクラブの批判などもしながらチームを離れ、札幌へ。これもクラブへの愛着の強さからだったんだと思います。
札幌で引退し、コーチに。現在はレノファ山口でコーチ。S級も取得。
現在ベルマーレのヘッドコーチ高橋健二とはS級同期。
今日(もう日付変わったけど)10月7日は名塚の誕生日。
札幌に移籍してからも、いつか帰ってきてほしい、とずっと思っていたので、今回じゃなくてもいいから帰ってきてほしい。
習志野出身なので、市船組と戦争を起こさないかだけ心配。
信藤健仁
これも初期ベルマーレ平塚で、暴れん坊時代を知る人物。
試合出場は少なかったけれど、当時ベテランとしてチームの精神面からも支えたボランチ。ベルマーレの1994年のイヤービデオに、いずれは指導者としてこのチームに帰ってきたいというインタビューを残していました。まだ覚えてます。
その言葉通り、ベルマーレでコーチを務めたのち、横浜FCで監督となり、2-4-4の2バック4トップといういまだに語り継がれる伝説的フォーメーションで2年間戦っていました。
古巣である浦和の統括責任者に就任するも、結果が出ず、サポーターに自宅を襲撃されたり、甲状腺の機能障害が見つかったりとかで休養、そのまま辞任となったのが2009年。その後はJの世界には立っていない。
穏やかな語り口と、強い信念。同じベテランでチームに在籍していた反町さんとは静と動という感じだったな。
高田哲也
これも初年度ベルマーレ平塚の選手で、ボランチ・サイドバック・サイドハーフでプレーした万能レフティ。散々だった1995年のセカンドステージ最終節で見せた決勝の長距離ボレーの弾道は鮮烈そのもの。
引退後は名古屋で育成。現在は広島でジュニアユースの監督でチームを日本一に導いている。育成に強い。おなかの出た感じも曺さんとかぶる。
栗原圭介
神戸の強化部長。降りないだろうな。
ベルマーレにレンタルで加入した2001年(1998年にもプレーしてた)。シーズン終了とともにお別れかと思いきや、なんと練習場に姿を現し、まさかの完全移籍というストーリーがいまだに語り草になっていたり。
2008年までJ1でプレーし、2009年に栃木で引退。監督としても福島ユナイテッドを指揮、湘南との切っても切れない縁。帰ってくるといいなと思いますが、今じゃなさそう。
そのほかにも・・・
それ以外にも、今年は栃木の監督している田坂さんは厚木のSCDはやぶさをサポートしているので、まだホームタウンとのつながりも深いですよね。
加藤望・松山博明・堀孝史・船越優三・・・
あと、S級は持っていないけれど、いま早稲田にいる外池さんも帰ってきてほしい。ベルマーレにはGM職ができるので、マネジメント力とSNSでの発信力、さらに早稲田コネクションを生かしてぜひクラブを助けてほしい。
アイデンティティを取り戻すための6試合
長くなりましたが、湘南ベルマーレがアイデンティティを取り戻すための6試合。結果が伴わなくても、湘南ベルマーレがここにある存在意義を証明してほしい。
幸いなことに、今月はあと1試合だけ(横浜Fマリノス戦)。
チームを立て直すための時間が残された。前を向いていきましょう!