開幕戦。
反町新監督を迎えた湘南は横浜FCとの神奈川ダービーでの開幕となった。
ここで、反町監督は加入したばかりの田原豊を
4ー3ー3のスリートップの中央に置いた。
もともと素行不良などでダーティないイメージの強い田原を獲得することに、疑問を感じているサポーターも多かった。
しかし、チームにはそのポジションの適任者が不在だった。
そして、スタメンには田原豊の名前があがった。
反町サッカーの神髄ともいうべきモビリティを生かしたサッカーで、坂本、寺川を中心に縦横無尽に駆け回る湘南。
そのなかで、田原の役割も明快だった。
ボールを必死で追い、体を張ってマイボールにし、攻撃の糸口を作った。
圧倒的なフィジカルの強さは健在。
時には自陣に戻って守備にも加わった。
後半、トゥットとの交代でピッチを去る田原に湘南サポーターから惜しみない拍手が降り注がれた。
ゴールはなかった。
けれど、それ以上にチームに大きな貢献をした田原に、それまでの疑問の声はかき消された。
田原は反町監督が探していたチームに欠けていた一片のピースだったのかもしれない。
まだ残り50試合。
勝ったもののチームには多くの課題が残った。
プレスキッカーの質、後半の運動量の低下、メンタル。
このサッカーで夏を乗り切るためには選手層の上積みも必須条件だろう。
まずは勝ち点3。
長いシーズンが幕を開けた。