ソーシャルメディア隆盛の現在でも、検索エンジンからのアクセス流入はいまだに大きな影響を持っています。
検索エンジンで上位表示されることで、検索流入数を増やし、多くのユーザーに注目されます。転職を考えている介護職、利用者さんへのサービス導入を検討しているケアマネ、さらには介護サービスについての情報収集を考えているご本人やご家族の皆様。検索エンジンの上位表示はより多くの方に注目してもらうきっかけになります。
どのサイトが上位に表示されるか。検索順位は、グーグルによる独自の基準によって決定されます。ユーザーの検索意図やこれまでの検索行動なども順位に影響を与えますが、やはり検索順位1位になることの価値は非常に大きいと言えます。
2023年3月15日にグーグルの検索順位を決定する基準=アルゴリズムが変更され、検索結果にも大きく影響が出ました。
今回はこの順位変動について紹介するとともに、介護事業所のサイトが上位表示を目指すにはどうしたらいいか、近道があるのかを解説します。
この記事のコンテンツ
2023年3月15日、グーグルコアアルゴリズムアップデートの概要
半年ぶりのコアアップデートのインパクト
グーグルは不定期に検索順位決定アルゴリズムを変更しています。
ユーザーの意図をより正確に把握し、最適で、限りなく正しい(と思われる)内容を表示するために改善を重ねており、今回のような大幅なアップデートが行われるのは半年ぶりとなります。
コアアップデートの開始は2023年3月15日。
アップデート開始当日からかなり順位変動は大きく見られていましたが、およそ2週間をかけ、3月28日にアップデートが完了したことが正式にアナウンスされました。
久しぶりのコアアップデートなので順位変動に関してはかなり大きなインパクトとなりました。
落ちたサイト・上がったサイト
今回のアップデートで順位はどう変わったか。
詳しいことはSEO専門の記事を作成されているブログや動画が多数ありますので割愛しますが、今回のアップデートでは、ドメインの持つテーマと記事・コンテンツの関連性、専門性が重視されたことが大きな特徴です。
順位が落ちたサイトは、パワーのあるドメインを間借りして運営していたサイトで、アフィリエイトを目的としたサイトなどです。インターネット上にある情報や既知の情報を集めてまとめた解説系サイトなどが順位ダウンしているということです。
逆に順位が上がったサイトはどんなサイトか。
今回のアップデートで順位上昇したのは、ドメインのテーマとコンテンツの関連性が高く、専門性の高い記事のサイトが上位表示されている傾向です。簡単に言うと、このサイト運営者の立場じゃなければ書けない内容の記事、というものが評価されるということです。
Googleの評価基準 E-E-A-T=信頼性の評価
特に近年、グーグルが評価しているのが、E-E-A-Tという評価基準です。
E:Experience(経験)
E:Expertise(専門性)
A:Authoritativeness(権威性)
T:Trust(信頼性)
以上の4つの指標を満たしているサイト・コンテンツが高く評価されます。
信頼できる記事とは何か。書いてある内容が本当に真実であるかを判断するために、「経験」に基づいていて、「専門性」のある内容で、「権威性」のある人が書いている、というものであれば一定の「信頼性」は保てると判断し、評価する傾向にあります。
このE-E-A-Tの評価基準をもとに、コンテンツを作っていくことがアクセス獲得への近道です。
では、介護事業者がサイト運営で結果を出すにはどうするべきか、次の章で解説します。
介護事業所がアクセス獲得にすべきこと
介護事業者はどうしたら順位で上位表示できるのか。
特別なことではありません。簡単に言えば、「自分たちにしか書けないことを書く」ということです。
ひょっとしたら謙遜されるかもしれませんが、みなさんの行っている事業には、それぞれ高度な専門性があります。その高度な専門性を活かして、普段どんなケアをしていて、どんな効果があるのかを紹介するのがいいと思います。
もちろん、日記のようなコンテンツでも価値はあります。写真集でも価値はあります。
でも、
具体例=記事の作り方
専門性があり、質の高いケアは在宅介護をされているご家族などにとっても大いに役立つ内容となります。
例えば下記のような記事を作るといいのではないでしょうか。
事業所: 認知症対応型通所介護
メインターゲット: 認知症の利用者を介護している家族
記事のテーマ: 徘徊する高齢者の対応方法
記事内容: 認知症とは(認知症の種類・特徴・行動)/ 徘徊とは何か / 事例紹介 / 成功した対応方法 / 失敗した対応方法 / 注意点 / まとめ / 参考資料
こんな内容でまとめると、どんな対応で効果があったのか、どんな行動に注意したらいいのかを読んで理解することができ、実践することができます。
きっと多くの人に役立つ記事になるのではないでしょうか。
もちろん、他のサービス事業所にもそれぞれの特徴を生かした記事を書けると思います。例えば以下のような内容でも。
- 難病患者に対する在宅リハビリテーションとその成果(訪問リハビリ)
- 在宅高齢者の褥瘡に対する多職種連携アプローチ(訪問看護)
- パーキンソン病患者に対する住宅改修・福祉用具による環境改善(福祉用具)
それぞれの領域から、いくらでも記事は作れると思います。
介護には正解はない、というものの、やはり根拠を持った行動が必要なので、参考文献・リソースなどを紹介していくことも意義があります。特に医療的な内容に関しては必ず根拠を明示していくことをお勧めします。上の記事であれば認知症についての解説は医療機関や自治体が公にしている内容へのリンクを貼ることで、グーグルからの評価も高まります。
このように記事・コンテンツを作成することでより多くのアクセスを集めることができ、自社のサービスを知ってもらうことができます。
介護事業者よ、情報発信を目指せ。
でも、記事を作るのって、面倒じゃないですか?
でも、記事を作るのには文章も書かなくちゃいけないし、面倒なんじゃないですか・・・。
その通り。面倒です。
介護事業所の多くは小規模法人が烏煙しているため、多くの介護事業者ではそこに力を入れるだけのマンパワーを持っていません。
逆に言えば、だからこそチャンスだと考えることができます。
地域でナンバーワンを目指すだけでなく、事業所を多くの人に知ってもらうこともできるチャンスです。
自社介護サービスのブランド力を高め、優秀な人材を獲得し、様々な企業・団体とパートナーシップを結び、新たなビジネスチャンスを獲得することもできます。
検索上位獲得は今がチャンス
検索上位を狙いたいならば、今がチャンスです。
今回のアップデートでは、どんな専門性を持っている人が書いた記事か、を特に評価しています。さらに、企業が公式にリリースしている企業活動に関連性の高い記事をより評価している傾向もあります。
つまり、介護事業者の公式ページが検索上位を獲得しやすい傾向にあるのです。
文書のお作法や小手先のテクニック、文書の上手い下手などの要素より、
専門性が高く読んでいる人に役立つ正確な情報が評価されているのです。
なので、検索上位を目指すのであれば今がチャンスと言えます。
また検索エンジンの評価基準は変わっていきますので、ひょっとしたらまたSEOテクニック重視に変更されるかもしれませんし、発信する法人の規模などが評価される時代になるかもしれません。
そうなる前に、ユーザーに役立つ情報を作り、広げていきましょう。
グーグルからの評価を得ること、そして多くの方にリーチすることは、企業にとって大きな財産となるはずです。
“2023年3月googleコアアップデートで順位変動。介護事業所サイトのアクセスアップに秘策はあるか?” への2件のフィードバック