【塗り絵は買うな!】デイサービス、グループホーム、特養必見。高齢者向け塗り絵は、買わずに作る時代

AI塗り絵で回想法はできる。もう塗り絵は買うな

塗り絵は買うな!

デイサービスやグループホーム、小規模多機能、特養、老健、介護付き有料老人ホーム・・・

いろんな事業所で活動として行われているプログラムで「塗り絵」がありますよね。

利用者が誰でも集中して色を塗ることに没入する。塗り絵にはいろんな効果があります。

  • 指先を使う機会を増やし、握力や手先の操作性を鍛える
  • 創造性を発揮する
  • 作品を残すことができる達成感
  • 職員やほかの利用者、家族など、人に褒められる

いろんな効果があります。

職員側のメリットも数多くあります。

  • 職員が手を取られることなく活動が成立する
  • コストが安い
  • 利用者間でのトラブルが起きにくい
  • いい作品は飾ることもできる

やはり塗り絵は有効なアクティビティです。

すごい地味ですけど、やはりいい活動だと思います。塗り絵を馬鹿にしてはいけません。ただし、ただの塗り絵で終わらせるのはもったいないのです。

興味のないお花の絵や、野菜の絵で時間を費やしてしまうのはもったいないのです。

本人の体験に基づいた塗り絵にすることで回想法としての価値を発揮する

塗り絵をただの塗り絵で終わらせない。

色を塗るという行為は、その下絵の中の世界観に触れるということ。

そこに、新たな価値を持ち込んでみてはどうでしょう。

塗り絵と回想法

塗り絵という高い集中を引き出す活動と、利用者の原体験が結び付くと、様々な化学反応が生まれます。

長期記憶を引き出し、そこに色付けしていくことでまた新たな記憶を呼び出します。

さらにそれを他者と共感したり、他の人の記憶も引き出すことでまた会話が生まれます。

そう、回想法です。塗り絵の活動に、回想法としての価値が生まれます。

「昔はこんな遊びをよくしていたわ。近所の同級生と、もっと下の子たちと一緒に。その子のお姉ちゃんが教えてくれて・・・」とか、

「よくこんなお店で買い物してたわ。豆腐は味噌汁にも使っていたし、毎週買っていたわね」とか、

長期記憶から、いろいろと記憶や会話、感情が引き出されるんです。

それこそ回想法です。

回想法塗り絵を作る

とはいっても、その人の原体験を絵にする・・・ってどうやるの?

冊子のいい人は気が付いているかもしれません。そうです。AIを使うのです。AIで色や塗りのないイラストを生成し、塗り絵を作ることができるのです。

解説動画を作っていますので、よろしければこちらもご視聴ください。

先に見せると、AIで作った学校で竹馬遊びをする塗り絵の下絵・イラスト画像はこちら。

ちょっと座ってて何してるかよくわからない人もいますけど、竹馬遊びの画像ができました。

本人が描きたいものを描く。本人の記憶の中に強く印象に残っている記憶を形にする。

もちろん、AIなので、必ずしも正確な情報は出てきません。これ何?という部分もあります。

でも、それもまた新たに記憶を引き出すヒントになるかもしれません。正しくない情報を訂正しようと思うことや、自分の体験と重ねて比較することで、眠っていた部分の記憶を引き出すこともあります。

100%正しい下絵である必要もなく、間違い探しもまた楽しんでしまえばいいんです。

回想法塗り絵の作り方

では、回想法塗り絵の作り方です。

ChatGPTのカスタムGPT

使うのはChatGPTとプリンター。これだけ。

ChatGPTは有料プラン「ChatGPT Plus」に加入しないと今のところ画像出力ができないと思います。ChatGPTはテキストを出すだけでなく、画像も出力できるんです。マルチモーダルと言って、テキスト以外のさまざまな形式でファイルを出力することができるんですよね。

有料プラン月3000円ですが、様々なビジネス活用や塗り絵を買うことを考えたら、あまり考えなくてもいいのかなと思いますが。

で、今回は私たちウェルコネクトがオリジナルにカスタマイズしたGPTを使います。

介護施設向け回想法塗り絵マスター

というカスタムGPTを公開していますので、ぜひクリックして使ってみてください。

ChatGPTでは、ユーザーがあらかじめ用途や目的に応じて、指示を入力してカスタマイズしたAIを作ることができるんです。それがカスタムGPTです。GPTs(ジーピーティース)とも言います。

実際に使ってみよう。

では、さっきの画像をどう作ったかで見ていきましょう。

まず、先ほど設置したリンク先をクリックしてもらうとこのような画面が表示されます。

介護施設向け回想法塗り絵マスターのトップ画面

これがトップページになります。

ボタンがデフォルトで4つ提案されていますので、このボタンを押せばすぐにスタートします。でも、下にあるテキスト入力フィールドにテキストで指示を入力すれば、その場面に合った塗り絵を作ってくれます。

まずは、3つ目のボタンの「1950年代の日本で子供たちが遊ぶ様子を描いてください」をやってみましょうか。

ChatGPTがテキストで、どんな場面を塗り絵にするか、具体的にするために質問をしてくれます。この質問と回答を通して、よりイメージに近い下絵を作ってもらえます。

「男子は竹馬、女子はお手玉をして遊ぶ。古い学校の校庭で」

と回答するとChatGPTが画像を作成します。

そのやり取りがこちら。

ChatGPTとのやりとり

お、もう画像が見えてしまっていますが、こんな画像が一発で作成されました。

最初にできた画像

なんとなく雰囲気出てますね。

でも学校が学校っぽくないなとか、女子はこれ、何しているんだろうとか。

たぶん、AIがお手玉をわからないだろうなと・・・。もしここにこだわりたければ、AIに追加情報を加えたり、参照画像を提供することでより具体的にお手玉の雰囲気を作ってもらうこともできます。

そして、学校のイメージを修正すると冒頭に紹介した画像になりました。

ChatGPTが作った画像

いろいろ会話が弾みそうでしょ。

利用者に応じて指示を変える

利用者に応じてテイストを変えることもできます。

もともと初期設定で、塗り面を大きくするように設定していますが、手先の操作性が弱い利用者もいると思います。その場合は塗り面を広くするように指示をするといいでしょう。

「1960年代、田舎の縁日の様子。ゴム風船を持っている女の子。指に痺れがあるので、塗り面をより広めにしてください。」

1960年代、田舎の縁日の様子。ゴム風船を持っている女の子。指に痺れがあるので、塗り面をより広めにしてください。

広くなったかちょっと怪しいですが。

細かいなと思ったら「デフォルメ化して」といえば、こんな感じになります。

デフォルメ化した画像

だいぶイラストタッチですね。

塗り面の大きさを変えることでしっかり握れないとか、手先がうまく操れないという利用者にもそれに応じてカスタマイズして下絵を用意できますよね。線が見えにくい人には線を太くするなど、いろいろ工夫ができそうです。

注意点:固有の人物などはちょっと弱いかも

ただ、ちょっと弱い部分は、具体的な人物名などを出すとちょっと弱いかもしれません。

たとえば、長嶋茂雄が豪快に三振したシーンを線画にしてください、といっても、それっぽい画像は作れません。参照画像としてそのシーンの写真画像をアップロードしてAIに渡しても、こんな感じです。

AIが思い描いた長嶋茂雄

これはこれでいいんですけど、長嶋茂雄ではないですよね。たぶん。

昔のヒーローとか作ろうとしても、うまくいきません。ピストルを持った七色仮面、と言ったらこれ。

AIが思い浮かべる七色仮面

ぬぬぬ。誰やねん。

まあ、基本的にはコンテンツポリシーがあるので、個人や著作権のあるものはNGなんですよね。

力道山とか、いろいろ試してみましたが、シーンは再現できても、顔などは再現できないですよね。亡くなったご主人を描いて、とかいうのも多分できません。特徴を伝えると、近いものはできるかもしれませんが。

まとめ

AIを使って塗り絵を作り、回想法を行う方法を解説しました。

ぜひ気軽に使ってみてください。ついでにAIに触れてみてください。そして、自分で面白いカスタムGPTを作った!という人がいたらぜひ教えてください。

ChatGPTなどのAIを活用することで、介護の場面でも様々な可能性が広がりますよね。

「AI=効率を求める・業務改善」という図式でばかり考える人もいます。でも、そうじゃなくて、もっと創造的な価値を生み出すこともできるのがAIです。認知症ケアに活かすこともできます。

人手を減らすことだけではなく、利用者の幸福や自立支援を目的にどんどんAIが活用されることを期待します。

その他、ChatGPTをはじめとするAIで解決できる業務改善についてブログで発信しておりますので、ぜひご参照ください。

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