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介護保険における福祉用具の選定の判断基準とは?
また厚生労働省が何か余計なことをしてくれたようで。
福祉用具の選定の判断基準に関するマニュアルが公開されました。
もともとマニュアル自体はあったようですが、今年(2024年)改定されています。
厚生労働省は、福祉用具をケアプランに位置付ける際にはこのマニュアルを活用するように促しています。具体的には以下のようになっています。
◯ 福祉用具はその特性と利用者の心身の状況とが適応した選定が重要。ケアマネジャーは利用者の状態像やその変化、介護者の介護力、居住環境などを踏まえた適切なケアマネジメントにより、必要な支援内容を多職種協働による検討を通じて決定し、その支援の手段の1つとして福祉用具の活用をケアプランに位置付けること
◯ ケアプランに福祉用具を位置付ける際はこの判断基準を活用し、示されている「使用が想定しにくい状態像・要介護度」、「留意点」などに該当している場合、サービス担当者会議やその他の機会を通じて、福祉用具に関わる様々な専門職から専門的な意見を求め、その妥当性について検討し、自立支援に資するケアプランの作成・見直しを行うこと
◯ 福祉用具専門相談員をはじめ医師、看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、ヘルパーといった福祉用具に関わる専門職は、この判断基準に示された「留意点」や「参考情報」を参照しつつ、サービス担当者会議やその他の機会を通じて、利用者の状態像やその変化、介護者の介護力、居住環境などを十分に踏まえ、福祉用具が適切に選定され、かつ、安全に使用されるよう、ケアマネジャーに対して専門的な見地から助言やサービス提供を行うこと
う~~~めんどくさい。
そこまでして福祉用具を使わせたくないのか?
福祉用具選定の判断基準は101ページ
この判断基準の冊子。ケアマネや福祉用具の皆さんは、もう読みましたか?
101ページです。合計101ページの大作です。
こんなもの読んでいられるか。いちいちチェックできるか!
具体的に何が書いてあるかというと、こんな感じ。
こんな情報そもそもいる?そもそもどの車いすを使うかを選定するまで決定はケアマネ一人で行う仕事なの?
もしこういう知識が必要だというなら、ケアマネ試験のための必須項目にでもすればいい。くだらない制度の重箱の隅をつついた問題よりも、まだ意味のある試験問題になるんじゃないでしょうか。
膨大なマニュアル、覚えるのは大変
でも、こんな膨大なマニュアルを覚えるなんて、そんな余裕ありません。ケアマネそこまで暇じゃない。
とにかく、マニュアルがいろいろ多すぎる。運営基準はもちろん、厚労省のQ&Aや市町村のQ&Aやらローカルルール、マニュアル、さらには事業所運営法人のルール迄あるわけだから、こんなマニュアルを全部覚えるのなんて超人技です。
さらに適切なケアマネジメント。
こんなアホみたいにルールやマニュアルを作っていって、厚生労働省は、さも仕事をしたと思い込んでいると思うのですが、こんなのただのイジメでしかありません。
これらの基準を守らなかったら、返戻や指定取り消しという重すぎる罰が待ち構えています。常にドボン問題が潜む中で業務をこなしているのがケアマネの日常なのです。
いっそのこと、AIでマニュアル管理を
覚えることには限界があり、すでにキャパシティーを超えている
これはもう、覚えることをあきらめる、というのが正解なのではないでしょうか。
際限なく増え続けるルールやマニュアル。すでに人間のキャパシティーを超えているのではないでしょうか。
これを覚えるという行為を放棄し、その分、それ以外のことに注力することがケアマネジャーの生きる道だと感じます。
では、どうやってマニュアルを管理するか。
AIを使いましょう。
AIだと、ハルシネーション(嘘)がある?
注意しなければいけないのは、AIは嘘を言うということです。
ハルシネーションという現象で、AIは正しくない情報をさも正しいことを言っているように出力することがあります。へ~。そうなんだ。と簡単に騙されてしまいます。特に、ChatGPTに嘘をつかれてひどい目に合ったという方も少なくないでしょう。
だから、正しいことが求められるマニュアル管理はAIには向かない。
・・・と決めつけるのはちょっと早い。マニュアル管理に最適なAIもあるんです。
Google Notebook LMでマニュアル管理
マニュアル管理に最適なAI
実はマニュアル管理に最適なAIがあるんです。それがGoogleの NotebooK LM です。
使い方は本当に簡単。
マニュアルのPDFファイルを読み込ませるだけ。
PDFファイルに書いてある内容を識別し、内容を理解してくれます。
ユーザーが、Notebook LMに質問すると、アップロードされたマニュアルの中から該当する部分を探し出し、質問者の意図に合わせて整理して回答を出してくれます。
特に優れているところは、その回答内容が、アップロードしたマニュアルのどこに書いてあるのか参照元も明記してくれるところです。
なので、正しくない情報は出力せず、アップロードした内容から答えてくれるマニュアルチャットボットなのです。
福祉用具選定の判断基準で迷ったらNotebookLMで確認
長く仕事をしていても、
「あれ?この場合って例外給付だっけ?」とか、わからなくなる時もありますよね。
今回厚生労働省が呼びかけている福祉用具選定の判断基準のファイルも、Google NotebookLMにぽーんとアップロードしてしまえばいいんです。
あとは、質問するだけで、ちゃんと根拠をもとに回答を返してくれます。うわ。便利。
この手法を使えば、居宅介護支援事業所の運営基準や、適切なケアマネジメントなどの情報をNotebookLMに学習させて、ケアマネジャーの業務総合マニュアルとして活用することもできます。
NotebookLMについては以下のリンクを。ランディングページが全部英語なので、「うわ」って思ってしまいますが、ログインしたら日本語なので安心してください。
人間、あきらめが肝心
AIが発達して、感じたことがあります。
諦めることが肝心。
自分に自信があることはいいことです。でも、すべての法規やマニュアルを記憶できますか?そしてそのルールを絶対に誤らない自信がありますか?
そして、その時に事業所や利用者に発生する多大すぎる損害に対して責任が持てますか?
こう考えると、肥大化し続ける介護保険制度でルールを守っていくためにはAIの力は必要不可欠なのかもしれません。
AI活用で少しでもケアマネジャーの負担が減ることを願って。