NPO法人日本HIS研究センターが主催する第5回ヘルスケア情報誌コンクールの最優秀賞は、岡山済生会総合病院(院長・糸島達也氏/岡山県岡山市)が発行する「ニュースきわみ」に決定しました。
5回目の開催となる今回は、全国98施設から合計121誌(A部門71/B部門20/C部門22/部門外8)の応募があり、8月26日の入選作品選定一次審査会を経て、9月2日に東京事務所において厳正な最終審査を行い、その結果、下記のとおり最優秀賞、優秀賞を選定しました。
医療・福祉の広報を審査するコンテストです。
審査基準は以下。
従来から重視してきた「広報誌による広報活動の質」の評価は、引き続き併催する「広報企画賞」に委ねることとし、優秀賞の選定は、紙媒体としての広報誌の編集制作の完成度、出来映えに絞って純粋に審査されるよう審査基準をわかりやすく変更しましたのでヘルスケア情報誌の企画編集にご利用ください。
1 役に立ちそうな記事や企画で構成されているか
広報誌の記事の中で、案外多いのが編集者のひとりよがり情報です。読み手も同じ知識レベルにあると考えたり、奇をてらって的はずれになっては折角の記事が生かされません。構成上さまざまな切り口があっても、あくまで読み手に有益な情報を提供することが紙誌づくりの基本です。
2 わかりやすい編集やレイアウトに工夫があるか
読み手といっても一定ではなく、誌面を理解する力は世代や知識・経験の差などさまざまな違いがあるものです。まして病院の広報誌では、可能なかぎり冗長な要素や無駄を削って、誰でもが一見して理解できるような配慮や工夫を重ねること大切であり、ときには痛みを抱える患者さんの立場に立って、どぎつい色やイラストを控えることも必要です。
3 読みやすい見出しや文章・文字の配慮があるか
「文字を読む」という行為は、つねに苦痛を伴うものです。わかりやすい誌面にくわえ、読み始めたら最後まで快適に読み通せる工夫が大切です。適切な見出し、漢字率、句読点、文字サイズ、文字間隔、行間隔、1行当たりの文字数など、読み手の目を配慮した地道な努力がヘルスケア施設に相応しい情報誌を育てます。
4 紙誌名、色彩、手触りなど全体の印象はどうか
インターネットやテレビと違って、紙ベースの広報誌はあくまでも現実感をともなうのが特徴です。ただ情報が伝わればいいというものではなく、施設の顔としてさまざまな体験の現場に登場し、誰にでも無理なくイメージや信頼感を伝えます。その特性に相応しいものかどうか、広報誌全体が持っている印象や魅力は大切な視点です。
5 情報の公開にかける姿勢や熱意が感じられるか
患者・利用者への日常不可欠な医療情報や施設案内情報だけでなく、診断や治療に関わる専門情報、サービス利用の実態とさまざまな評価情報など、職員や住民に向けた、より積極的で幅の広い情報公開が透明性を高め信頼につながります。その信念や熱意が誌面にでているかどうかは、ヘルスケア情報誌の重要ポイントの一つです。
紙媒体のコンテストですが、ウェブデザインにもつながるものがあります。
やはり、医療法人など、医療系の施設がほとんどを占めています。
今回、53作品が入選となりましたが、
第5回のコンテストにして、はじめて社会福祉法人が入選されました。
受賞した王子光照苑は、ウェブサイトにも力を入れており、
ブログを利用したコンテンツ制作など、
情報公開への意欲が非常に強く感じられます。
紙媒体であっても、ウェブ媒体であっても、
社会に向かう意欲の高い施設とそうでない施設との差が
はっきり現れているのが、いまの社会福祉施設なのではないでしょうか。