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【カイポケショック】で揺れる介護事業者
2025年3月、介護・福祉事業者向けクラウドサービス「カイポケ」が提供していたホームページ作成機能が終了します。これまで、カイポケを契約していれば無料で使えていたこの機能。各事業所が自社の情報を簡単に発信できる“便利な窓口”として活用されてきました。
しかし、サービス終了により、これまでのホームページは廃止されます。代替手段として案内されている「とりあえずHP」への移行には、月額2,525円(税込)の費用が発生します。
「今まで無料だったのに…」
「移行しなければいけないけど、どれがいいかわからない」
「お金がかかるなら、意味のあるものを作りたい」
——そんな声が、今、全国の介護事業者から多く聞かれています。
今こそ、“とりあえず”の選択で済ませるか、それとも“伝わるホームページ”をつくるか、その分かれ道に立っていると言えるでしょう。
カイポケのホームページサービスと「とりあえずHP」の比較、そしてそのメリット・デメリットなどについて解説します。
カイポケのホームページサービスとは?
カイポケ(カイポケbiz:介護保険サービス経営支援システム)は、介護・福祉事業者向けに業務効率化や経営支援を提供するクラウドサービスとして、全国の多くの事業所で利用されています。介護保険事業者向けに提供される業務支援ソフト「カイポケ」を中心に、様々な業務支援サービスをパッケージとして提供していました。その中に含まれていたのが「カイポケホームページ作成サービス」です。
この機能は、特別な知識がなくても、事業所の基本情報、サービス内容、アクセス方法、スタッフ紹介などを簡単に掲載できるホームページテンプレート機能として提供されていました。制作から公開、運用までがワンストップででき、料金もカイポケの契約料に含まれていたため、実質無料でホームページが持てるという点が高く評価されてきました。
カイポケの利用料金の安さもあり、特に小規模なサービス事業者をはじめ、多くの事業者がカイポケのホームページサービスを利用していました。制限は多く、自由度も少ないことや、SEO効果も低いことなどもあり、パフォーマンスとしては必ずしも高いものとは言えません。しかしながら、サーバー費用の負担もなく無料で簡単に自分たちのホームページが持てるということは事業者にとって大きなメリットであり、ファーストステップとしてはカイポケのホームページを利用するのはもってこいの選択でした。
■ なぜカイポケホームページサービスは終了するのか?

しかし、2024年の後半、カイポケ運営元である株式会社エス・エム・エスは、「カイポケホームページ機能」の提供終了を発表。公式には2025年3月31日をもってサービスを完全停止するというアナウンスがありました。
明確な終了理由は詳細には語られていませんが、主な背景には以下のような事情があると推測されます。
- 開発・運用コストの増加:Webの技術進化により、セキュリティ対応やスマホ対応、検索エンジン対策などが複雑化し、従来のテンプレート型では限界がある。
- 役割の見直し:カイポケ本来の機能は、介護業務や経営支援に特化しており、ホームページ機能は付加的サービス。事業のフォーカスを明確にする狙い。
- 他社サービスとの連携:とりあえずHPなど、専門のホームページ作成ツールと連携することで、より良い選択肢をユーザーに提示できるという戦略。
こうした判断により、カイポケの「無料ホームページ提供時代」は終わりを迎えることになったのです。
■ カイポケホームページサービス終了の影響とは?
このサービス終了によって、これまでカイポケHPを利用していた介護・福祉事業所には、具体的な影響が生まれます。
- 既存ホームページが見られなくなる 2025年4月以降、旧カイポケで作成されたホームページは自動的に非表示になります。URLにアクセスしても表示されなくなり、利用者や家族、求職者がホームページを通じて情報を得られなくなるリスクがあります。
- 新たな費用が発生する カイポケから案内されている移行先「とりあえずHP」は、月額2,525円(税込)の有料プランが前提となっています(※カイポケユーザー特典価格)。無料で維持できていたホームページが、今後は「コストをかけて運用するもの」になります。
- 情報発信の空白期間が生まれる可能性 「いつの間にかサイトが見られなくなっていた」という状態になれば、利用者や家族からの信頼を失う可能性もあります。また、求人や見学案内など、ホームページが担っていた“入口”の役割がなくなることは、事業にとって無視できない損失です。
- 比較されやすい時代へ 今後は事業所ごとのホームページが自由に作られる時代に移行します。テンプレートに頼っていた頃とは違い、デザイン性や情報量、わかりやすさなどが競争要素になります。ありきたりのサイトでは、他の事業所に埋もれてしまう可能性が高くなります。
■ 対応を後回しにすると、どうなる?
「まだ時間があるから…」と対応を後回しにしていると、ギリギリになってバタバタと対応することになります。最悪の場合、一時的にホームページが消失し、その間にチャンスを失うことも。
特に、見学希望者の問い合わせや求人応募は“ホームページを見てから”というケースが多いため、ホームページがない・更新されていないというのは、事業所の印象や信頼度に大きく影響します。
ホームページは、もはや名刺代わりの「置きっぱなし」の時代ではありません。カイポケのホームページサービス終了は、カイポケユーザーにとって、「情報をどう伝えるか」「どんな印象を与えるか」を見直すチャンスとも言えるのです。
ホームページ移行先の主要サービスを比較

カイポケのホームページサービス終了にともない、多くのカイポケユーザーが「新たなホームページの運用方法」を選ばなければならなくなりました。
その際、多くの事業所がまず検討するのが「とりあえずHP」への移行です。カイポケ側から公式に案内されており、移行支援も準備されているため、もっとも“自然な選択肢”のように見えます。
しかし、ホームページを新たに運用していくということは、これから「費用」が発生し続けるということでもあります。
つまり、単に「続ける」だけではなく、「費用に見合う効果があるのか?」「もっとよい選択肢はないのか?」という視点がとても重要になってきます。
ここでは、カイポケユーザーが検討しうる主要なホームページ移行先を比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。
■ ホームページ移行先比較表
サービス | 初期費用 | 月額費用 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
とりあえずHP | 無料 | 2,525円(税込) (カイポケ特典) | 操作が簡単/移行サポートあり | 自作が基本/カスタマイズ性が低い/他社と似たデザインになる可能性 |
Wix | 無料~(一部有料) | 1,300〜2,700円前後 | 高いデザイン自由度/ドラッグ&ドロップで編集 | 設定に慣れが必要/SEO弱めとの声も |
Jimdo | 無料~ | 990円~ | シンプル操作/日本語UI/中小事業者向け | 機能がやや限定的/介護に特化した設計ではない |
WordPress | 要サーバー契約 | 数千円〜(ドメイン・保守含む) | 圧倒的自由度/ブログ・採用ページなど拡張性抜群 | 導入・保守に専門知識が必要/トラブル対応は自己責任 |
介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト | 要問い合わせ(参考価格:初期7.5万〜) | 月額7,000円〜(サーバー代・保守・更新込み) | 介護業界に特化/プロが構成・制作/成果重視/継続サポートあり | “本気で成果を出したい”人向け |
■ 一見、手軽な「とりあえずHP」…でも本当にそれでいい?
「とりあえずHP」は、カイポケが公式に案内していることもあり、既存ユーザーの多くが移行を検討しています。実際、テンプレートの数も240種あり、文章例や画像例も豊富。操作もシンプルで、PC初心者でもある程度は形にできます。
ただし、以下のような注意点も忘れてはいけません:
- 見た目が似る:「テンプレート通りに作る」ため、他の介護事業所とデザインがほぼ同じになります。240種のテンプレートといっても、介護関連事業に適したテンプレートが多いというわけではないので、デザインの幅はかなり制限されると思った方がいいでしょう。
- 自作が基本:構成や原稿を自分で考えなければならない。ホームページで採用や集客などの課題を解決しようとしたいとしても相談できる相手はいません。
- 個別的なサポートには限界がある:個別的なサポートには限界があり、ある程度操作や仕組みを理解していないとできません。
つまり、手軽に「形としてホームページ」は作れるが、差別化・成果・継続運用の視点ではやや物足りないというのが実情です。
■ “自分たちでつくる”のが負担になるケースも
WixやJimdo、WordPressなども、「自由に作れる・安く運用できる」という点で人気があります。しかし、自由度が高いほど、「自分で全部やる必要がある」という壁にぶつかります。
特に介護事業所は、人員体制に余裕がないことが多く、現場スタッフがホームページまで手が回らないケースも珍しくありません。
それに加えて、SEOやセキュリティ、スマホ対応といった“本当は大事なこと”も後回しになりがちです。
結果、「更新が止まっているホームページ」「誰にも見られていないホームページ」になってしまうリスクも。

■ 「費用がかかる時代」だからこそ、“成果にこだわる選択”を
カイポケHP時代は、ある意味「無料だからこれでいいか」で済ませられました。
しかしこれからは、費用が毎月発生します。
「とりあえず続けるか」
「それとも、成果につながるホームページに切り替えるか」
その判断が、今まさに求められています。
「とりあえず」のまま放置していいの?
カイポケのホームページサービス終了を受けて、多くの介護事業所が“とりあえずHP”への移行を選ぶかと思います。
理由は明快で、「カイポケが案内しているから安心」「特別価格があるからお得そう」「自分でできるらしいから簡単そう」といった心理が働くからです。
ですが、ちょっと待ってください。
本当に「とりあえず」でいいんでしょうか?
効果や損失を考えずに、流されてしまう前に、立ち止まってみませんか?費用がかかる今だからこそ、「見えにくい落とし穴」があることを、ぜひ知っておいてください。
■ 落とし穴①:デザインが似すぎて、他と差別化できない
とりあえずHPには200種類以上のテンプレートが用意されており、介護業界向けのデザインもあります。
一見、選択肢が豊富なように思えますが、実際には同じテンプレートを使っている事業所が多数存在しており、
地域内で見比べたときに「あれ、この事業所と同じデザイン?」と感じられるケースも。
とくに検索結果で並んだとき、同じような見た目・同じような構成のページは、ユーザーの記憶に残りません。
つまり、存在しているのに、選ばれないホームページになってしまう危険があります。
■ 落とし穴②:自分で全部つくるしかない
とりあえずHPは、「自分で簡単に作れる」が売りです。
しかしその実態は、“原稿を書くのも、構成を考えるのも、自分”というセルフサービス。
スタッフ紹介、サービス内容、料金、アクセス案内、求人ページ…
どこに何を書く?どう見せる?誰向け? こうした“設計”の視点がないまま作られてしまうホームページが多く見られます。
結果として、情報が整理されておらず、読み手に伝わらない。
「自分では満足してるけど、誰にも見られていないサイト」になりかねません。
■ 落とし穴③:サポートが限定的=不安が残る
困ったときにすぐ相談できるかどうかは、継続運用の大きなポイントです。
とりあえずHPは、サポートが基本的にメール対応のみで、電話やチャットによる即時対応はありません。
たとえば「間違って情報を消してしまった」「表示が崩れた」などのトラブルが起きた場合、自分で解決するまでに時間がかかるリスクがあります。
ITに苦手意識のある担当者や、少人数の事業所にとっては、この対応の遅さがストレスになるかもしれません。
■ 落とし穴④:毎月費用はかかる。でも成果が出るとは限らない
とりあえずHPを使えば、毎月2,525円(税込)のランニングコストが発生します。
しかし、そのホームページが「見られていない」「問い合わせが来ない」「応募につながらない」なら、それは「ただ存在しているだけ」の経費です。
例えるならば、人通りの少ない場所の事業所の前に置かれた看板。あなたはそこに毎月2,525円を支払い続けますか?
実際に費用を支払い続けるなら、「その費用で何ができるか」を真剣に考えるべきです。
たとえば、
- スタッフ紹介が人柄まで伝わるページ
- 求人情報が“働きたい”につながる構成
- 地域名やサービス名で検索されたときに上位に表示される工夫
こうした仕掛けがあって初めて、“費用をかけた意味がある”ホームページになります。
■ 「とりあえず」を放置することが、長期的な損になることも
最初は簡単だから。とりあえず安いから。という理由でスタートしたホームページ。
けれど半年後、「もっといいものが欲しい」と思ったときには、データの移行や再構築に時間とコストがかかるケースが非常に多くあります。
つまり、最初の“とりあえず”が、長い目で見て損になる可能性があるということです。
「選ばれる」介護事業所は、ホームページにも理由がある
介護業界におけるホームページの役割は、単なる「看板」では終わりません。
特に求職者は、必ずといっていいほどホームページを見てから連絡・申し込み・応募しています。
そして、その際に必要になるのが——
「ここで働きたいと思えるか?」「ここで働く自分を想像できるか?」
ホームページは、事業所の“顔”であり、“入口”です。
だからこそ、伝わるホームページを持っているかどうかが、選ばれるか・スルーされるかの分かれ道になります。
■ 「伝わっている」ホームページには、3つの共通点がある

1. 信頼感がある
デザインが整理されて、安心感を与えるデザインになっている。
Googleマップやお問い合わせフォームなど、ユーザーがすぐ行動できる仕掛けも整っている。
2. 情報が整理されている
サービス内容、料金体系、アクセス、空き状況などの情報がスッキリまとめられていて、見る人が迷わない。
利用する高齢者の家族世代にも読みやすく、スマホでもスムーズに閲覧できる。
3. 目的がはっきりしている
「見学予約をしてほしい」「求人に応募してほしい」など、見るだけで終わらせない構成になっている。
問い合わせボタンやエントリーフォームも目立つ場所に配置され、導線が明確。
■ よくある「情報が足りない」ホームページの例
一方で、あまり選ばれないホームページには以下のような傾向があります:
- 写真が少なく、雰囲気が伝わらない
- スタッフや施設の特徴が書かれていない
- 更新が止まっていて、何年前の情報かわからない
- お問い合わせ先が見つけづらい、スマホだと表示が崩れる
こうしたホームページは、情報が不十分なために「ここに連絡してみよう」と思ってもらえず、せっかくの関心が離脱に変わってしまいます。
■ ホームページが変われば、“出会える人”が変わる
たとえば——
- 「求人ページを整えたら、面接率が上がり、ミスマッチも減った」
- ケアマネさんからの問い合わせが増え、こちらのターゲットとしたい利用者像に合った利用者が増えた
こうした事例は、珍しくありません。
ホームページは、“信頼の入り口”であり、“新しいご縁が生まれる場所”です。
それを、テンプレートのままで済ませてしまっていいのでしょうか?
選ばれる介護事業所は、ホームページにも“伝える努力”をしています。
だからこそ、見学が入り、相談が増え、人が集まり、事業が続いていくのです。
介護事業専門|伝わるホームページで成果を出す
「どうせ費用がかかるなら、きちんと成果につながるホームページにしたい」
「情報発信だけでなく、採用や信頼づくりにもつながるものが欲しい」
——そんな声にお応えするのが、私たちウェルコネクトのホームページ制作です。
ただ“キレイに作る”だけではなく、地域の中で選ばれる事業所になるための仕掛けと戦略を盛り込むのが、私たちのスタイルです。
■ 当社サービスの強みは「介護の現場をわかっている」こと
介護業界には、他の業種とはまったく違う伝え方があります。
- ご利用者の家族に「安心感」を伝える
- サービスの差別化・強みをわかりやすく説明する
- 求人ページで「働きやすさ」や「雰囲気」を表現する
- ケアマネジャーや地域包括からの信頼を得る
こうした“想い”や“空気感”を、文字や写真、構成で丁寧に表現する。
それこそが、「見られて終わり」ではなく「選ばれるホームページ」をつくる上で重要なのです。
当社は、介護・福祉分野に特化した実績が多数あり、専門用語や制度の知識を踏まえた文章構成・ページ設計に定評があります。
なぜかというと、私自身も居宅介護支援事業所・地域包括支援センターでの勤務実績のある主任ケアマネ経験者だからです。ケアマネ視点で、選ばれる事業所はどういった事業所か、必要なアドバイスを出来ます。
もちろん2006年から実績を積み重ねており、介護保険サービス事業種別の制作実績はほぼコンプリートしております(経験がないのは定期巡回・夜間対応訪問介護くらいだと思っています・・・)。SEOでも実績を残していますので、リニューアル案件でも順位や問い合わせの増加で多くの事業者様より評価をいただいております。
■ 行動するタイミングはいま
もちろん、「とりあえず」の対応を否定するつもりもありません。でも、それは「とりあえず」という選択をしているわけで、少なくとも事業所の広報や採用に関しては非常に大きな決断をしているということを認識した方がいいと思います。
まずは問い合わせや質問だけでも、気軽に声をかけてください。みなさんと同じ介護に軸足を置いている人間として、介護を支えていきたいという想いは同じですから。